Junpeiのつぶやき about ”教育”

ここでは私が常日頃感じている教育への思い、娘との何気ない会話、食事をしながら家族で語った教育談義など、すべてその時ブログに残したものを掘り出してきて紹介していく予定です。

2005年 5月9日
「イギリスの教育」 学校でやっていること ややこしや〜

寝る前に娘の部屋に洗濯物を持っていくと、今日提出しなければならないアートの宿題をベッドの上でやっていた。
「何やってるの?」とベッドに乗っかってのぞいてみると、いつになく機嫌の良い娘はいろいろとワークについて話はじめた。
ちょうど先週、ARTのFinal Examが終わったところで、一応彼女がFinal Pieceと呼ぶ最後の作品を仕上げたところで、その「最後の作品までどのようにたどりついたのか?」というのが彼女が夕べ仕上げようとしていた宿題だ。
テーマは"View Point"こんなにシンプルでわかりにくいテーマのもとに一つの作品を作っていかなければならないなんて、あまりにもあいまいで私ならどうしていいかわからなくなってしまいそう。
彼女は一点から見つめて見えるものを遠近感、Vanishing Pointなどを意識して、どのような感じになるかというのをつきつめていったらしい。それは説明を聞いたけれど感覚的に私にはあまりわからないことだった。
そして彼女の感覚を絵で表している、有名な画家の作品を集めていろんなアングルから見つめていくというのを何度も繰り返して、そして自分なりのConclusionを見つける。
そのconclusionにさからわないようにFinal Pieceを作らなければならない。
Final pieceは彼女が着目したポイントを含んでいるものでなければならない。それを含んでいる景色を家の近所で写真にとってきた。
手法は彼女が参考にしたプロの作品にある程度似せた、自分なりの作品にしなければならない。彼女が出会った手法については先生が説明してくれて、絵や説明文を使って説明して、彼女がなぜそこに影響されたのかなども書かなければならないのだ。最後に撮ってきた写真をフォトショップで自分の考えているようなタイプの絵に加工して、それを大きくプリントアウトして、Final pieceの土台となるものを作ったようだ。最後は絵の具を使ってそれを一つの作品に仕上げておしまい。色使い一つをとっても意味があるし、とても複雑でわかりにくい作品に仕上がっていた。絵を描くときの得手不得手もあるため、できるだけ自分の不得手を隠すことができるように注意が必要らしい。

イギリスのGCSE,ASレベルのアートでは、細かい技術を先生が教えるというタイプのアートではなく、テーマを決めてそれを作り上げていく為にさまざまな芸術作品に出会い、そこから自分なりに学んでいくタイプのようで、きれいな美しい絵を描く為の技術を身に付けるために何度も描いて練習するというようなことはあまり重要ではない。
しかし、時に技術が必要なこともあるけれど、あまり先生はそのことにこだわらない。
発想が自由、でも深く見つめ、深く考える、様様な角度から見つめる。このようなことを大切にする。自分が頭で描いているものに近い絵を見つけることは難しい。でもその時に先生の知識が役に立つ。生徒が頭で考えていることをきちんと理解して、参考になるアーティストの名前を教えたり、生徒の想像を表している手法を絵で見せたりする。
各自、想像していることが違うので出会う画家も手法もそれぞれ違ってくる。こんなに自由でいいのだろうか?と不思議に思えるやり方だ。

追記:上に絵を描くための技術はあまり大切ではないと書いたけれど、少し私が認識違いをしていたみたいなので書き足しておきます。
Final Examのワークに取り掛かるもっと前に、Kandinskyなどの抽象画を勉強して、自分なりに絵を描いて行くということをやったそうで、そこらへんにあるものを適当に並べてそれを元に絵を描いたそうです。その時にだいたい自分はどのような技法で行くかというのを決めながらやるそうです。そこでオイルペインティングを選んでその技法がわからない場合は、先生にどうやってやるかをアドバイスしてもらい、しばらくはその練習をしていくそうです。もちろんその時やったことの練習が宿題になります。
たいてい、自分の得意な手法をとるのでまったくどうやっていいのかわからないようなものは選ばないので、先生がアドバイスすることもそう多くはないようです。
ファイナルイグザム、コースワークどちらも、先生がどこまで口出しをしていいのかというガイドラインがあって、あまりアドバイスをすると感性が生徒のものでなくなってしまうので注意が必要だそうです。

アートなどは作品作りに時間を要するけれど、数学、英語、歴史などと違って難しく考えて膨大な文献を読み、自分の考えを長い文章にしていく必要は無いので簡単だと思って選ぶ生徒もいるらしい。
しかし、8ヶ月の授業時間のうち大半は自習に近く、放し飼いにされたうさぎだと娘は表現していた。中には帰ってこられないほど自由に遊んでしまううさぎもいる。
そうなったらどうしようもない。その途中で誰もうさぎを止めたりしないんだって。
自己管理が問われるということだろう。

娘はARTが大好きだけれど、このプレッシャーのもとで学ぶのはもう今期限りにしたいようだ。来年はもっと好きなことを集中して学びたいらしい。
最初はARTとグラフィックを中心にして将来を見つめていたけれど、やっぱり道を決めるのには若すぎるんだよね。今になって本当に合っているのかどうか悩んでいる。
それにすごく絵がうまいと言うわけではなく、上に書いたように技術を教えてもらえるのでは決してない。ひょっとしたらそれを学ぶのが大学かもしれない。日本の美大はまずデッサン力が問われるけどね。
今年アートとグラフィック以外にとった科目がとてもおもしろかったので、そちら方面での将来も考え始めたようだ。
イギリスの教育って何だろうな?技術的な科目なんだから技術を教えるのが当然と考えていたけれどそうではなかったんだ。
様様な作品と出会うこと、そして自分の頭で考えること。アートだけではなく、他の授業でも自分の考えていることをいかに効果的に文章にしていくか、そういうのにこだわっている科目は多い。日本のように大学受験を念頭に置いた覚えるだけの勉強法とは大きく異なる。でも脂汗が出るほど考えて考えてそれを自分の言葉や作品につなげていくという行為は人間を大きく深くするんじゃないかと思う。
昨日、私に最初から終わりまで説明したおかげで、抜けていた大事なポイントがいくつか見えてきたようで、トイレに行く前に私に「ありがとう」と言ってくれた。

 

2005年5月12日
「イギリスの教育」 アートの続きのお話

今日からERが始った。さっきまで娘と機嫌よく見ていたのだが、宿題の続きをするため部屋に戻った娘が泣きべそでここにやってきた。
CorelDrawで夕方からやっていたDesign Graphicの宿題、なんとSaveをしておらず、ERを見ているちょっとの間にコンピューターが暴走して宿題も一緒に連れて行ってしまったみたい。明日学校へ行きたくないと泣く。
幸い、だんなは何を思ったのか夜中なのに木工細工をしているし、二人に濃いコーヒーをいれてあげて徹夜に参加
なので私はこうして今日の日記を書いている。それに今日から新しいペーパーバックを読むのでそれも楽しみ。
さて、Year12でASレベルとしてのアートの内容を先日書いたけれど、あの工程に行き着くまでの約半年の間、生徒たちはそれぞれ、自分がどのような手法、どのような絵が向いているのかを探るためにAbstract Art(抽象画)を見たりしながら勉強を重ねていたらしい。私にはわからないけれど、抽象画でもわかりやすいものもあるし、まったく意味のないものもある。たくさん見てどういう絵が好きなのか、それぞれどれがあっているのかを、みなでディスカッションを続けていたそうだ。
そして、ARTの教室にさまざまなOBJECTを持ち寄りそれを適当に並べては写すという行為をそれぞれのスケッチブックに重ねていくのだ。モデルとなったもののどこを描いてもいい。アングルも各自自由にしていい。例えば、モデルとして置いた物にうつっている部分だけを描いたりもできる。絵っておのおのの見方で違って見えるので見たとおりに忠実にしか描けない子もいるし、ディフォームしながら描いて行く人もいる。アートの時間は来る日も来る日も絵を描きつづけるという時期もあったらしい。そして自分がどういう描きかた、または作り方が向いているのかをやっと見つける。
既にそれが得意で特に練習する必要がない場合もあるし、前回の追記に加えたように、自分は得意ではないけれど是非やってみたい手法もある。その場合は先生が教えてくれるそうだ。
そしていよいよ"View Point"というテーマが知らされて、あとはこの言葉からイメージを膨らましていくだけ。前回のお話につながるわけだ。
このやり方は非常に難しいらしく、去年GCSEでARTをとった生徒はプロセスがわかっているため比較的楽だけれど、今年初めてARTをとった生徒たちはどうしてよいかわからず、結局放し飼いのウサギ状態で戻って来れなくなる。だって先生は生徒を放っておくからだ。
最初にエントリーした中から既に3人はARTを落とす決心をしたらしい。
どうしても出来ない子、やっても絶対にPassしそうにない子に対してはきついようだけれど、先生の方からやめるようにアドバイスをする。本当に興味がある場合は来年Retakeできるのでやり直しもできるし、そのあたりは非常に自由だ。Exam当日に自信がなくて来なかった子もいるんだって。
FinalExamは終わったけれど、Thematicと呼ばれるUnitがまだ未完成なのでそれを早く仕上げなければならないそうだ。彼女のThemeは昔風に言えば裸婦かな?
授業の中で裸婦のスケッチというのがあって、エキストラに200ドル払わされた。毎週モデルがやってきて裸の女性をスケッチしてたらしい。
それを元に自分なりに裸婦の絵を書き綴ったスケッチブックを作っており、それも作品として提出をしなければならない。
娘は絵を描くのは好きだけれど、見た目通りにきちんと書くのが嫌いなので、ディフォームされた柔らかな裸婦がさまざまな色彩を持って描かれている。

来年はARTはもう取らないと言う娘。
来年、AレベルでのARTは美術史など実技ではなくお勉強になってしまうので、描く事は好きだけれど書く事が嫌いな娘には向いていないんだろうな。

次回はDesign Graphicかな?今となりで消えてしまった宿題を再度やってます。
今夜のお題はGameBoyみたい。何しているのかはまた今度…

 

2005年5月13日
香港からの大学進学 (日本の大学編)

これはしばらくでしたが、日本の大学とカナダの大学どちらにするのか
悩んでいた頃のBlogです。

先日 友人と食事をして大学受験の大変さを知ってしまってからは、
うちも来年にはその時期になるので、心配で心配でたまらなくなってきた。
香港のインターナショナルスクールへ通っている日本人の多くは日本の大学を目指しているみたい。
最近は大学も帰国子女枠入試を実施しているところが多く、一部の国公立にもなんとその枠は存在する。
詳しくは経験していないのでわからないけれど、書類選考のみ/小論文+面接など学校によって入試の内容は違う。
英語力+学力の判定はTOEFL,SATが基準となるため願書提出までにある程度の点数をあげておかなければいけない。
うちの娘は海外も視野に入れているけれど、日本にも憧れを持っているためどちらにするかおおいに悩み中。
帰国となれば関西しか無理なので関西エリアで探すと、あることはあるけれど娘が勉強したい科目が帰国子女枠に適応しなかったりとややこしい。科目の内容は今学校でやっていることとさほど変わりはないようで、日本とイギリスの教育内容の違いを感じてしまった。
公立校で一つ良さそうなところがあったけれど、彼女の日本語力で日本の大学でしっかり楽しく学んでいくことは難しいかもね。あとは、学びたいという意欲満々なのに、日本の大学の雰囲気はそれにあっていない気もするし、でもここらへんで日本の教育に触れさせてあげるのもいいかなと思ってみたり、私も娘もとても複雑な心境だ。
とりあえず、来週行われる塾の説明会というのに参加するので、そこで詳しい状況などがわかるといいな。

それから心配なのは、6月か7月に学校を卒業した後、日本へ帰って予備校に通わせるのが一般的らしくて、それに入れないと合格しないのでは?という心配があることかな。
だってね、その予備校の費用が半端ではないのだよ。
そんな大金払って志望校に合格できなかったらつらいよねえ。
うちが日本の大学を目指したら、ここに入れないといけないのかな?
心配や〜


問題は、今のところやりたいことが3つあって、そのどれを取るかというのが娘の中で整理できておらず、これから受けるASレベルの結果を見てみて決めようかと考えているらしい。
海外となれば経済的なこと、治安なども考慮して、カナダがいいかと思っているので日本の大学と平行してカナダも調べている。学部、科目をとってもカナダの方がいっぱいあって選択肢も多いみたい。成績はGCSE,ASレベル、AレベルのPredictの3つから判断してくれるようで、こちらの方が大学が決まるまでのプロセスは簡単そうな感じ。
日本のように面接も無いしね。ありがたいことにAS,Aレベルで履修したことは一部大学の単位に還元してもらえるらしい。


彼女はこじんまりした学校の方がいいと言っているので、
そのあたりも考慮して決めたいな。
だって、今なんて彼女が選択している科目の1クラスの人数は10名前後みたいなので、あまり大きな学校だと面食らってしまいそうだもんね。

とにかくまずは日本の大学ってどんな感じなのか、
夏休みに見学に行かせるつもり。
本人もそれを楽しみにしているからね。

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実はこのときにお話していた友人のお子さん達のほとんどが無事に日本の大学に合格されました。

一人は書類選考で帰国子女受け入れ大学としては有名な学校の秋季入学生として元気に通われています。
英語、日本語の両方の授業があるということですが、これは入学前にテストがあってその結果でどのクラスに入るかが決まるとのことでした。一般的な大学のイメージ(遊べる)とは違って、結構家に帰ってからの学習も多いとのことでした。良い学校は学べるということですかね。

一人は高校生になってから香港に来られてインター校に通われていました。そして夏に帰国してしばらくは帰国生のための予備校に通い、この方も関東の某有名公立校の秋季生として合格されました。

そして一番最近入ってきた朗報は、同じくこちらでインター校を卒業され、その後帰国して予備校に入り、この方も関東では有名なみなが憧れる某私立大学に合格されました。

注:3人とも優秀でしたので、誰にでもできることではありません。帰国枠を利用したから良い学校に入れるというわけではありません。

こんなわけで、うちは来年ですが、どこでもいいので行く学校が無事決まればなと思っています。

 

2005年5月15日
香港からの大学進学 Part2 (日本の大学編)

日本の帰国子女枠受験に強い予備校に問い合わせしたところ丁寧な返事を頂いた。
それによると、うちの子みたいに海外生活は長いけれど英語が苦手(国語が苦手なのか?)な生徒というのは、日本語でも小論文がきちんと書けないケースが多くて不合格となりやすいみたい。カナダ、アメリカの大学進学の際、CBTで250以上あればまあ大丈夫みたいだったので、もうTOEFLは受けなくて良いかと安心していたんだけれど、長期滞在で250は当たり前で、海外歴4年ほどでこれぐらいの点数をとってしまう生徒もいるらしく、そういう子に比べてうちみたいなタイプは思考力も低いと書かれていた。
確かにうちは書くことが嫌いだからこれに当てはまるかもしれない。
そう考えるとやっぱり日本の大学は難しいのかな?
帰国子女枠の小論文って言えば1000文字前後の短い作文のようなものだけれど、テーマに単に答えるだけではなく、海外で経験したこと、その国で感じたこと、外国暮らしだからこそ身についたものなどを織り交ぜながら書いていかなければならず、どんなテーマもそこに結びつけながら作文を書かなければならないので、それなりに訓練が必要なのだ。娘は簡単な日本語文は読めて理解できるけれど、タイプ無しで書くことはかなり難しい。今まで日本語を少しずつでもいいから勉強しておけば良かったのだけれど、まさか日本の大学と言い出すと思わなかったため放っておいたのだ。読むのは日本の漫画とファッション雑誌、たまにTeens向け小説だけだもんね。
頑張るタイプなら今の状況からでも挽回してくれるかもしれないけれど、おっとりものの娘はとてもじゃないけれどやらないだろうな。
大学を調べたり、これからのこと考えたりしないといけないのに、朝からもチャットしたり、ボロンボロンギターを弾いたりしてくつろいでるだけだもんね。
世の中には親の言う事をきちんと聞いて、塾や予備校に通いとても賢い子があふれているように感じるのだけれど、どうもうちのはそういうタイプでは100%いえ、200%ないみたい。「本を読みなさい、新聞を読みなさい。」と読書で身に付けられることってすごく大きいと信じている私は、娘にいつも本を読むように言ってきた。
このことだけじゃないんだけれど、うちの娘は私が良かれと思ってアドバイスすることは何一つ聞かない頑固者。
もう大事な時期まで後少し、今反省しても何の意味もない。
どこへ進むにしても、1日も早く今までの自分の行いを反省してやり直してくれるといいんだけれどね。
お宅のお子さんどうですか?
うちみたいにわからずやですか?

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いろんなケースをその後聞くことができましたが、塾の先生は生徒に来てもらわなければ商売にならないので、このような説明会では、それでなくても不安な母親達を少しおどすぐらいの話し方をするみたい。
実際は、かなり長い海外経験があり、英語力がしっかりついており、日本語でも自分の言いたいことをきちんと言える状態であればそれほど難しくはないということです。
よっぽど難しい国公立、私立大学をめざす人たちは予備校に行ったほうがいいらしいけれど、普通の大学であれば自力で入れるんじゃないかな?